敷地は開発地の一番奥に位置している旗竿敷地です。近隣の住宅に囲まれた印象のある敷地であるため、どのようにして部屋の明るさを確保するか検討を重ねました。
2階はLDKのみでシンプルな計画としました。東側の隣地にある教会の庭によって少し開けたスペースを確認できたため、2階のバルコニーは東側とし仕事部屋と寝室、水廻りは1階に計画しました。
暗くなりがちな1階玄関は、ホールに地窓を設けることによって、外部からの視線を制御しつつ光を取り込めるよう計画しました。
一直線な階段はバルコニー越しに真っ青な空を見られるという視覚的な効果も担っています。
適材適所に窓を配置することができ温かみの感じられる空間をつくることができました。
ご夫婦はお二人で家づくりのコンセプトブックを作るなどされ、そのおかげで最初のお打合せから方向性がきちんとできており、ご夫婦共通で中村好文さんの建築がお好みという話を伺うなどして、細かい仕様や納まりなどで専門的な話もして盛り上がりました。
木の感じを多くとり入れたいご要望を加味して、窓枠は塗りつぶさずクリア塗装の四方枠にし、リビングの天井のラワンベニヤ貼りや集成材を使った造り付け家具など、木のボリューム感が多かったものの、枠の見付は薄くしたり、ベニヤとクロスの縦、横ライン、タイルの目地のラインに気をつかって割付・施工し、重くなりがちなディテールを軽くするようにしています。
工事が始まってからも現場の状況を確認、修正していただきつつ、お二人の完成形に近づけていきました。丁寧な暮らしを大事にされているお施主様がこれからどのように暮らしていかれるのか楽しみです。