地下1階地上2階の住宅です。道路から1.5メートル上がった宅地で、そのレベル差を利用し、半地下の鉄筋コンクリート造ガレージの上に木造の二層がある構成としています。外壁はソリド鎧張の変形家形です。
RCと木造の混構造であることに加えて室内の高さに関するご要望があったので、設備の配管・配線経路は熟考しました。
RCの打ち放しの地階はその素材感が美しく見えるよう、かつ階段ホールへと続く序章となるよう、トンネル効果をねらい、段々の収納と斜めにレイアウトした壁と間接照明で演出しています。間接照明の位置、天井までの距離、仕上げの素材等を図面で考察を繰り返し、現場で監督・大工・職人の助言を受け入れながら最良の判断を実現していきました。
2層の階段踊り場はサッシの絡みが素晴らしい感覚となり、なるべくその意図に沿うように仕上げました。
1階ホールの壁は、「何かやりたい」とのお施主様のご希望で、カラーワークスのスエード調塗装VALRENNAを採用しています。
リビングの照明は羽目板の表情を損ねることのないように割付けに合わせて照明BOXを埋め込み、サブでキッチン側の下がり壁に間接照明を設置しています。
道路に面した大開口の窓は、道路を歩く人からはキッチン天井を見上げる視線になるので、器具の配光も考慮しました。
トイレ、洗面はお施主様のイメージされる資料をもとに図面化しました。2階洗面は正面には鏡と窓を対称にレイアウトし、ユニットバスの隙間を利用した壁面収納をご提案しました。
お施主様も積極的にご協力いただき、クロスや照明器具、スイッチ等、奥様がひとつひとつ丁寧に探されたアイテムの数々も建物に彩りを添えています。