秋谷の海に向かう傾斜の途中につくった、都内に住まわれるお施主様の別荘の計画です。
3層の建物は、コンクリートの地下部分の上に、少しはねだした木造の2階建てがのる構成。半地下にエントランスとアウトドアスペース、1階にビューバスと各寝室、2階にはLDKと50平方メートル弱のバルコニーがあり、地下1階からはエレベーターでも各階にアクセスできるようになっています。
平面計画は各部屋が海に向かう配置で、2階は約10メートルの開口面が海側に開いています。
木造部分の外壁は左官仕上げ+ジョリパット吹付、バルコニー部分は屋久島産の杉板貼りとしています。
建物の内装は白いクロス仕上、床はオークのフローリングです。
2階キッチンはお施主様こだわりのオーダーメイドで、地下1階のアウトドアキッチンには海で釣ってきた魚もさばけるようなステンレス製のキッチンとしています。
敷地内高低差が13メートルにおよぶ工事は、住宅の計画というよりは土木工事に近い感覚でした。1階と2階の木造部分の工事にたどり着くための前段階工事(既存土留め解体、地盤調査、土留工事、地盤補強工事、地下RC躯体工事)には長い時間がかかり、工事の都度の新たな土留めや雨水の処理を繰り返すなどしながらの工事で、のべ7か月を要しました。