お施主様とは15年程前にご住居のリフォームを担当させていただいてから長いお付き合いになります。
今回は、お寺の本堂の外部建具の交換と、エアコンの取付、庫裏のトイレの改修工事をおこないました。
本堂は木製のガラス框戸をアルミサッシ＋雨戸に交換。防犯と強風の際の雨風の侵入を防ぎたいというご要望でした。
全体的な意匠をあまり損なわないように今ある柱、鴨居、敷居、長押を活かし、上からカバーするような方法で計画しました。
正面と庫裏につながる開口部は段差やスロープを丁寧にお打合せしながら進めていきました。
エアコンは配管経路や取付方法を図面で検証しながら、こちらも内部、外部意匠に影響のないようプランし、事前調査を繰り返して無事設置できました。
庫裏トイレの改修は、最初はクロスの貼替のご依頼でしたが、お打合せを重ねるうちに次世代の方にもアピールできるようなものを提案してほしいとのご要望で、構造部と外壁サッシを残してのスケルトンからの改修工事になりました。
以前は男女同じ入口で手洗いも同じでしたが、こちらを完全に分けて、なおかつ、車いすの方でも入れるような設計にしました。
平面的にはかなり入り組んだレイアウトで設備屋さんも大工さんも大変でしたが、実際には動線もスッキリ整理されて、ゆとりのある空間に仕上がりました。
本堂同様にさまざまな方が使いやすいように手摺の取付や段差解消、コロナ以降定番化した自動水栓と人感スイッチを取り入れて機能部を活かしつつ、内装は無垢の床材やタイル、建具材で優しい印象に仕上げました。