海からの潮風を感じる場所。その邸の東から西にぬける土地を新たに取得されました。東から海のほうへ向かう空の広さを感じる土地です。ご希望はシンプルに車が停められる駐車場ということでした。
そこで、せっかくの駐車場なら、とデザインのご提案に1枚の簡単なスケッチをお見せしましたが、いちおうは当初の計画通りに動くことになりました。
数日後、「先日のスケッチがどうも気になり、もう少し見てみたい」とのことで、全体感を見直し再度のプレゼンテーションを行ったところ、基本構想として「建物に寄りそう色彩、駐車場への高低差を最小限にし、そこへ硬質な石材と柔らかな光と植物を配置する」等随所に賛同していただき、プロジェクトがスタートしました。
デザインの最終段階では主役となる壁にお施主様が大切にされているひとつの思いを感じ、その思いをオブジェとして壁に表現してみてはどうだろうと試行錯誤しました。
結果、とても喜んでいただき、エバーのデザインに込めた思いだけでなく、お施主様の想像力を超えていく感受性の豊かさが反映され、新たなデザインとなりました。エバーとしても、機能やフォルム、色、光をきめる時、その根源や不可欠な要素を探りだし最適な答えに導いていくことの大切さ等をあらためて感じました。